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Wedge Shape / 楔形(くさびがた)スタイル

Styling   Box Shape  Streamlined Shape  Flat Shape  Wedge Shape  Bullet Shape  Sphere Shape

The Beginning of Super Car Design / スーパーカー・デザインの幕開け

Chapter 3 - Section 2 - Subsection 4

English Text Coming Soon

第3章 第2節 第4項

世の中にスーパー・スポーツカー(高性能車)は存在していましたが、日常使いの乗用車ではなく、レーシングカーでもなく、性能・外観・価格共に実用性を超越したロードカー、いわゆる “スーパーカー” の存在を社会に強く印象付けたのは、ミッド・エンジン車ならではのウェッジ・シェイプ(楔形)ボディを纏った華麗な車たちが登場したからです。

その記念すべき第1号車が、1968年のパリ・モーターショーでベルトーネから発表されたカラーボ(緑色)です。シャーシはアルファ・ロメオ・ティーポ33と同じですが、外観は全くの別物に仕上がっています。写真は60台限定の赤色モデルです。

カラーボをデザインしたのはマルチェロ・ガンディーニで、彼が考案した前方へ跳ね上げるシザー・ドアなど、多くの意匠が後のランボルギーニ・カウンタックに継承されています。

ウェッジ・シェイプの特徴は、扁平な前面ガラスが車体前方と一直線につながり、フロント・ノーズから屋根の前端まで1枚の平面(傾斜45°より鋭角)で構成している点にあります。

このデザインはジョルジェット・ジウジアーロも得意とし、彼の手になるマセラティ・ブーメランはウェッジ・シェイプの究極の完成度を誇る1台です。実車はフルレストアを経て、現在でも自走可能なコンディションに維持されているそうです。ちなみにドアは跳ね上げ式ではなく、水平に開きます。

Alfa Romeo Carabo Bertone 1968 / アルファ・ロメオ・カラーボ・ベルトーネ 1968年
Maserati Boomerang Italdesign 1972 / マセラティ・ブーメラン・イタルデザイン 1972年
Aston Martin Bulldog 1980 / アストン・マーティン・ブルドッグ 1980年
Lamborghini Diablo VT-R / ランボルギーニ・ディアブロ VT-R

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スーパーカーの代名詞となったカウンタックは、1990年にランボルギーニ・フラッグシップの座をディアブロに譲ります。同じくガンディーニがデザインしましたが、親会社クライスラーが注文を付け、無難なフォルムに変更されました。辛うじてガンディーニ・デザインのプレートが装着されましたが、オリジナル・デザインはチゼータ・モロダーの方に引き継がれました。

ディアブロは2001年まで数々のバージョンが生み出されましたが、その中で私が一番気に入っているデザインは、このVT-Rです。ガンディーニの基本的フォルムを損なわない程度のエアロパーツが、スーパーカーとしての成熟感を漂わせています。世界モデルカー博物館には、マイナー・バージョンも含め、ほとんどのランボルギーニ車が揃っています。

Topics / 新着情報

2017.02.06

第7章「博物館」・全4節を新規掲載

遂に全7章(日本語コンテンツのみ)の執筆を完了。英日対訳の日本語部分だけで約1年半かかってしまった。意図的に先延ばした箇所があるものの、何とか最後までたどり着いた。拍手!拍手!

2017.01.15

「車種リスト」ページを新規掲載

本編ページに掲載したモデルカー作品を検索するための、アルファベット順車種リストページを作成

2017.01.09

第6章・第5節「製品化要望」を新規掲載(第6章完了)

第4節の掲載から3箇月以上間隔が開いてしまったが、モデルカーを過去・現在・未来の時間軸を通して考察することができた。主要な日本語コンテンツとしては、第7章の「博物館」を残すのみ。

Headmaster / 学院長

1965(昭和40)年生まれ射手座A型のスーパーカーブーム直撃世代。小学高学年でガンディーニ・デザインに魅了される。
時を経て1990年、ロンドン駐在時に英国製の1/43精密モデルカーに出会い収集を始める。1998年の帰国後は、国内の専門ショップに収集拠点を移し、現在に至る。
スーパーカーを主軸とするロードカー・2ドアクーペに車種を限定することで、未組立キットを含め約5000台を収集。
モデルカーの認知拡大、コレクターへの支援、業界の充実発展を願い、主力3700台を『世界モデルカー博物館』に展示。
同時に、展示作品の愉しみ方を解説する本サイト『モデルカー学』を開講。現在も「コレクター道」を実践・追究している。

―2015年5月現在―

2017年6月末に英国ロンドンへ再赴任し、現在ロンドンから欧州の様々な情報をブログとFacebookで配信中。

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