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Franco Scaglione / フランコ・スカリオーネ氏

Designers   Fissore  Gandini  Giugiaro  Pininfarina  Scaglione  Spada  Stevens  Wallace  Zagato

Pioneer of Aesthetic Aerodynamic Form / 美しい空力フォルムの先駆的創造者

Chapter 6 - Section 2 - Subsection 5

English Text Coming Soon

第6章 第2節 第5項

スーパーカーと呼ばれるミッドシップ・ハイ・パフォーマンス・ロードカーが台頭する1960~70年代、本節の主役である才能に満ち溢れたデザイナー達が活躍します。

50年代、そのスーパーカー時代前夜から、空力を追求した斬新な曲線美のロードカーを生み出し続けた先駆的デザイナーが居ました。彼の名は、フランコ・スカリオーネです。

Basic Information about the Designer / デザイナーの基本情報

Personal Profile / 人物プロフィール
Name / 氏名 Franco Scaglione フランコ・スカリオーネ
Born / 生誕 26 September, 1916
 Florence, Tuscany, Italy
1916年9月26日
 イタリア、トスカーナ州、フィレンツェ
Died / 死没 19 June, 1993 (Aage of 76) 1993年6月19日(享年76)
Occupation / 職業 Automotive Designer 自動車デザイナー
Career / 経歴 - 1946: Stay in India as a prisoner
     of the World War II
1947: Return to Italy
1948: Cloths Designer in Bologna
1951: Meets Nuccio Bertone
1952: Automotive Designer at Bertone
1959: Freelance Designer
1967: Design Work of Alfa Romeo
     Tipo 33 Stradale
1972: Last Design Work for
     Intermeccanica Indra Coupe
~1946年: 第二次世界大戦の
       捕虜としてインド滞在
1947年: インドからイタリアへ帰還
1948年: ボローニャで衣服デザイナー
1951年: ヌッチオ・ベルトーネと出会う
1952年: ベルトーネのデザイナーに就任
1959年: ベルトーネから独立
1967年: アルファ・ロメオ・ティーポ33
       ストラダーレをデザイン
1972年: 最後のデザイン・ワーク
       (インターメカニカ・インドラ)

Personal History / 人物の略歴

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Aeronautical Engineering
Abarth 1500 Biposto
Alfa Romeo B.A.T.
(Berlinetta Aerodinamica Tecnica)
Alfa Romeo 2000 Sportiva
Abarth 750
Fiat-Osca 1500

フランコ・スカリオーネは、大学で航空工学を学んでいましたが、第二次世界大戦の勃発による学徒動員で、大学を中退して戦地に赴きます。終戦後イタリアに戻ると、自動車デザイナーを志しカロッツェリアの集中するトリノに出ます。そこでベルトーネの総帥ヌッチオと運命の出会いを果たします。

ベルトーネ在籍中に、アバルト1500ビポスト(1952年)、アルファ・ロメオB.A.T.(ベルリネッタ・アエロディナミカ・テクニカ)(53~55年)、同2000スポルティ―ヴァ(54年)、アバルト750(56年)、フィアット・オスカ1500(59年)など、美しい空力フォルムのロードカーを数々デザインしました。

Representative Design Works / 代表的なデザイン作品

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1959年にフランコがベルトーネから独立すると、徐々に時代の主役がミッドシップ・スーパースポーツへと移行します。もちろん、フランコにも斬新なプロジェクトが待っていました。

本節では、スーパーカー黎明期の歴史に名を刻む60年代の3作品を紹介します。今やスーパーカーの代名詞ともなった、ランボルギーニの記念すべき第1号車も含まれます。

Lamborghini 350 GTV 1963 / ランボルギーニ 350 GTV 1963年

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Giorgio Prevedi of Carrozzeria Sargiotto

実業家フェルッチオ・ランボルギーニは、1963年にランボルギーニを設立すると、3.5リッターV12エンジンを搭載する第1号車を企画します。そこにフランコは、自らのFRクーペ・デザインを集大成したかのような美しいボディを架装しました。

しかし、フェルッチオにとっては過去のフォルムであり、彼が思い描く新時代のスーパーカーではなかったようです。ノーズのエンブレムのオフセット配置が決定的要因となり、フェルッチオはカロッツェリア・ツーリングに再デザインを依頼します。

結局、ランボルギーニ市販第1号車は、ツーリングの350GTとなり、フランコの350GTVはエンジンを積まずにお蔵入りとなりました。その後、顧客に販売され、実走可能車に改造されると共に、車体はメタリック・グリーンに再塗装されます。

スタイリングはともかく、両車ともフロント・エンジン車です。ランボルギーニは、第2号車ミウラによってミッドシップ車の新時代を切り拓きます。デザイナーは、フランコから2代後のベルトーネ・チーフ・デザイナー、マルチェロ・ガンディーニでした。

ATS 2500 GT 1963-65 / エイティーエス 2500 GT 1963~65年

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Automobili Turismo e Sport
Calro Chiti
Giotto Bizzarrini
the famous "Palace Revolution" at Ferrari

ATS(アウトモービリ・ツリーズモ・エ・スポルト)は、いわゆる「宮廷の反乱」でフェラーリを去ったカルロ・キティやジオット・ビッザリーニらが、1963年にボローニャで設立したスポーツカー・メーカーであり、F1コンストラクターです。

カルロ・キティは、61年にフィル・ヒルをF1王者に導いたフェラーリ初のミッドシップF1カー・156F1の設計者で、ジオット・ビッザリーニは350GTV(63年)からムルシエラゴ(2010年)までのランボルギーニ・V12エンジンの設計者です。

ATSは、F1とロードカーを同時に設計するフェラーリ成功の図式を踏襲し、F1&ロードカー用のV8エンジンを、F1のエンジニアリングで、レースカー定番のシャーシにミッド搭載し、フランコのボディを架装して、93年に2500GTを発表します。

2500GTは、ルネ・ボネ・ジェット、デ・トマソ・ヴァレルンガフェラーリ250LMなどと並ぶ、最初期の市販ミッドシップ・ロードカーです。しかし、1/43モデルカーでは、イタリアのABCブリアンツァの作品しかありません(2016年8月現在)。

Alfa Romeo Tipo 33/2 Stradale 1967 / アルファ・ロメオ・ティーポ 33/2 ストラダーレ 1967年

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Auto-Delta
Autodelta

ATS2500GTは、フェラーリのエンジニアリングで創り上げられたミッドシップ・ロード・ゴーイング・レーサーでしたが、15台が生産されただけで、ATSは65年に活動を停止しました。しかし、カルロ・キティの優秀なV8エンジンは生き続けます。

カルロは61年からアウト-デルタを運営していましたが、64年にアウトデルタと改称し、アルファ・ロメオのワークス・チーム&レーシング部門として、本格始動します。そうして生み出された生粋のレースカーが、ティーポ33/2です。

そして、そのロードカー・バージョンが、フランコ・スカリオーネ生涯の傑作と言える美しい空力ボディを架装したテイーポ33/2ストラダーレです。カルロが設計した2リッターV8エンジンを、レーシング・シャーシにミッド搭載しています。

フランコの33/2ストラダーレ(67年)は、空力を追求したスタイリングが美しいだけでなく、ロードカーとしては、マクラーレンF1(92年)やエンツォ・フェラーリ(02年)より四半世紀早くバタフライ・ドアを採用したスーパーカーでもあります。

Topics / 新着情報

2017.02.06

第7章「博物館」・全4節を新規掲載

遂に全7章(日本語コンテンツのみ)の執筆を完了。英日対訳の日本語部分だけで約1年半かかってしまった。意図的に先延ばした箇所があるものの、何とか最後までたどり着いた。拍手!拍手!

2017.01.15

「車種リスト」ページを新規掲載

本編ページに掲載したモデルカー作品を検索するための、アルファベット順車種リストページを作成

2017.01.09

第6章・第5節「製品化要望」を新規掲載(第6章完了)

第4節の掲載から3箇月以上間隔が開いてしまったが、モデルカーを過去・現在・未来の時間軸を通して考察することができた。主要な日本語コンテンツとしては、第7章の「博物館」を残すのみ。

Headmaster / 学院長

1965(昭和40)年生まれ射手座A型のスーパーカーブーム直撃世代。小学高学年でガンディーニ・デザインに魅了される。
時を経て1990年、ロンドン駐在時に英国製の1/43精密モデルカーに出会い収集を始める。1998年の帰国後は、国内の専門ショップに収集拠点を移し、現在に至る。
スーパーカーを主軸とするロードカー・2ドアクーペに車種を限定することで、未組立キットを含め約5000台を収集。
モデルカーの認知拡大、コレクターへの支援、業界の充実発展を願い、主力3700台を『世界モデルカー博物館』に展示。
同時に、展示作品の愉しみ方を解説する本サイト『モデルカー学』を開講。現在も「コレクター道」を実践・追究している。

―2015年5月現在―

2017年6月末に英国ロンドンへ再赴任し、現在ロンドンから欧州の様々な情報をブログとFacebookで配信中。

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