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2015.04.25

惚れてまうやろ!!

4月25日には、製作関係者やご近所さんに向けた創造広場アクトランド内覧会が行われた。
今回も、私は終日世界モデルカー博物館の解説を行った。

アクトランドという全体施設の内覧会(無料ご招待)のため、当然ではあるけれど、
決して当展示館をお目当てに、その上、料金を支払ってまで見ようという方々ばかりではない。

ご来館者の反応は様々。
車やモデルカーに全く知識や関心の無い方でも、展示数量の多さには一応に驚かれる。
車好きの方は、全体を回りながらも自身が特に関心のある車種モデルの前で足が止まる。
子供たちは車種が分からなくても、“あの車が好き、この車が好き”と大騒ぎで喜んでくれる。
展示ガラスに数多くの、小さな掌マークを付けながら・・・。

展示館の企画・設計・設立者として残念なのは、“ああ、こんな感じか”という体で、
さーっと展示館の内部を一瞥されるだけの方々。主役である展示物には関心が無いようだ。
当館に興味が無くても、アクトランドの他7つの展示館のどれかに感心・感動していただけたら、
わざわざ足を運んでもらった甲斐はあるというもの。

そんな中、やや小柄の若い女性で、棚の端から順に、最上段はちょこっと背伸びをし、
最下段はしっかりしゃがみこんで、ひたすら展示物を見てくださる方が居た。

そういう方は、自分自身の脳内で展示物に関する情報処理を独自に行っているものだ。
だから、あまり余計な解説をせずに、所々で鍵となるポイントだけを説明した。

私が25年かけて収集した可愛いモデルカー達を、黙々と丹念に見てくださる後ろ姿に、
つい、「惚れてまうやろ!! と心の中で叫んでしまった。

アクトランドは、Art(芸術)+Culture(文化)+Technology(技術)の複合展示だが、
そこにスタッフのおもてなしの心と、ご来館者の感性が加わって、初めて施設として完成する。

決して、車やモデルカーに詳しそうな女性ではなかった。
そうであっても、展示物に純粋に向き合って、何かしらの知的刺激を受けてくださったのであれば、
展示してあるモデルカー達も、収集展示した張本人である私も、本当にうれしい限りである。

アクトランドを世界有数のテーマパークとして、これから育てていってくださるのは、
ご来場者の皆さんに他ならないと、改めて実感した次第である。

GW明けの5月15日にアクトランドはグランドオープンを迎える。
是非、皆さんの感性を注ぎこんでいただきたい。

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Headmaster / 学院長

1965(昭和40)年生まれ射手座A型のスーパーカーブーム直撃世代。小学高学年でガンディーニ・デザインに魅了される。
時を経て1990年、ロンドン駐在時に英国製の1/43精密モデルカーに出会い収集を始める。1998年の帰国後は、国内の専門ショップに収集拠点を移し、現在に至る。
スーパーカーを主軸とするロードカー・2ドアクーペに車種を限定することで、未組立キットを含め約5000台を収集。
モデルカーの認知拡大、コレクターへの支援、業界の充実発展を願い、主力3700台を『世界モデルカー博物館』に展示。
同時に、展示作品の愉しみ方を解説する本サイト『モデルカー学』を開講。現在も「コレクター道」を実践・追究している。

―2015年5月現在―

2017年6月末に英国ロンドンへ再赴任し、現在ロンドンから欧州の様々な情報をブログとFacebookで配信中。

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