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2017.08.05

ロンドン散策 その4

さて、先週は航空便で到着した引越荷物の受取りと整理でロンドン散策をお休みしたが、今週末は渡英後初(出張中は省き)の土日完全OFF状態なので、また運動がてら散策に出た。

今回も7月2日同様、27年前のロンドン駐在時に、関心はあったものの実際には訪れる機会が無かった建造物にターゲットを絞った。ロイズ・ビル(Lloyd's Building)だ。あのメカニカルなデザインに、当時度肝を抜かれたことを覚えている。

散策の出発地は、ロンドン発祥の地でもあるシティの象徴・バンク地区。地下鉄バンク駅から出ると、すぐに旧王立取引所(Royal Exchange)に遭遇。今は高級ショッピング街になっているが、金融街の土曜日はお店も休日のようだ。少し歩くと、煌びやかなアーケードが見えてきた。ハリポタ通でない私は知らなかったが、映画『ハリー ポッターと賢者の石』のロケ地になったレドンホール・マーケット(Leadenhall Market)とのこと。しかし、ここもまだ開いていなかった。

さて、今日のお目当てロイズ・ビルに到着。休日だから営業していないため、人通りは僅かな観光客のみだった。周辺が高いビルに囲まれており、建物の全体像を把握するのが困難。三方から撮影した写真が下記の通りだが、こうして見ると全体の形状的なインパクトが弱く、ただ非常階段の渦巻き状デザインが目立って、27年前の感動が色褪せてしまった。

気を取り直し、シティの定番観光地であるセント・ポール大聖堂(St Paul's Cathedral)へと歩いて行った。17世紀の建築家、クリストファー・レン(Christopher Wren)の手になるバロック様式の傑作建造物。私は、1981年のチャールズ王太子とダイアナ元妃の結婚式でその存在を初めて知った。大聖堂の正面(西側)から近づくと、象徴的な中央ドームがどんどん奥に隠れていく。この時は小雨気味で雷まで鳴っていた。周辺は少し広場になっており、ぐるっと全方位を見て回ることができる。右側の写真は南側で、セント・ジョンズ・ゲートから帰り、晴れ間から光が差したチャンスをとらえたもの。

二十数年前、オランダに駐在していた時に仕事でイタリアに出張した。ミラノからベニスまで鉄道で移動したのだが、その時立ち寄った中世の趣が強いヴェローナ(Verona)の街並みにいたく感動した記憶がある。十数年前から、ロミオとジュリエットのモデルになった街ということで日本でも紹介され始めたが、当時は日本人に一人も出会うことはなかった。私は自然の地理条件と人工的な造形物の融合された街並みが大好きで、イギリスのヨークに行った時も小道に2階から順にはみ出した家屋に心惹かれ、中世以来の街によくある路地をまたぐ屋根付き渡り廊下などが大好物。

そんな性分ゆえに、ガイドブックで見たセント・ジョンズ・ゲート(St. John's Gate:聖ヨハネの門)にも寄ってみた。セント・ポールから決して遠くは無かったのだが、ロンドン博物館を右手に見ながら観光地とは縁遠い街並みに迷い込み、最後はスマホのナビに頼る始末(私のポリシーに反する)。左下の写真で見れば魅力的だが、写真のフレームから外は、いたく普通の現代建築。アクセスが悪い上に、高知の「はりまや橋」に匹敵する“ガッカリ名所”だった。お勧めはしない。

またまた気を取り直すと再びセント・ポールへと南下し、大聖堂の麓からテムズ川南岸に架けられた歩行者専用の橋・ミレニアム・ブリッジ(The Millennium Bridge)を渡った。右下の写真は、南岸から見たセント・ポール大聖堂の姿。真横から見ると、中央ドームの高さが際立つ。橋からの眺めは良く、特に東側は奥にタワー・ブリッジをとらえることができる。

テムズ川の南岸は、2000年に完成した大観覧車のロンドン・アイ(London Eye)まで、数々の文化施設に面した遊歩道ミレニアム・マイル(Millennium Mile)が続く。夏休みの最中なので路上パフォーマンスが大盛況。右の写真は女性シンガー。私は人を避けて撮影するので殺風景に見えるが、通りはすれ違いが大変なほど観光客で溢れていた。

ロンドン・アイの先は、終点のウェストミンスター橋。そこからは対岸の国会議事堂(Houses of Parliament)がよく見える。現地のBBCニュースでは、屋上に通路を整備しているようなことを言っていた。

今日の目的は、何と言ってもロイズ・ビルだったが、ミレニアム・マイルを通って来たのには理由がある。実は、ロンドン・アイの視察。超人気スポットなので、この観光シーズンの真っ只中、チケット入手と入場にどの程度労力と時間を要するかを確認したかった。案の定、ふと思い立ったからブラリと行ってすぐ乗れるという代物ではなかった。おぞましいほどの長蛇の列。事前に前売り券の購入は必須。

左の写真は、ウォータールー駅へ行く途中のロンドン・アイ。ちなみにウォータールー駅は、2日後から半数のプラットフォームが拡張工事のために1箇月間閉鎖される。

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Headmaster / 学院長

1965(昭和40)年生まれ射手座A型のスーパーカーブーム直撃世代。小学高学年でガンディーニ・デザインに魅了される。
時を経て1990年、ロンドン駐在時に英国製の1/43精密モデルカーに出会い収集を始める。1998年の帰国後は、国内の専門ショップに収集拠点を移し、現在に至る。
スーパーカーを主軸とするロードカー・2ドアクーペに車種を限定することで、未組立キットを含め約5000台を収集。
モデルカーの認知拡大、コレクターへの支援、業界の充実発展を願い、主力3700台を『世界モデルカー博物館』に展示。
同時に、展示作品の愉しみ方を解説する本サイト『モデルカー学』を開講。現在も「コレクター道」を実践・追究している。

―2015年5月現在―

2017年6月末に英国ロンドンへ再赴任し、現在ロンドンから欧州の様々な情報をブログとFacebookで配信中。

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