2017.07.02
2月に前回のブログをしたためた頃、実は英国ロンドン赴任の内示を受け、現行業務の仕上げ作業、引き継ぎ、引越し準備、VISA取得、渡英準備、赴任と、慌ただしい4箇月間を過ごしていた。そのため、当サイトもしばし置き去り状態だった。
6月25日に英国ロンドンに入り、現地で1週間を過ごして、7月1~2日に初の週末を迎えた。そもそも私の社会人生活は27年前にロンドンから始まっており、欧州駐在は実に19年振りとなる。東京ほど暑くはなく、ジメジメもしていないので、まずは土地勘を取り戻すため、仮滞在中のホテルから、シティ方面へと歩いて繰り出した。
すると、見たことのない立派な施設があり、どうも内部が一般に公開されているらしい。フラフラと入ってみると、昔の記憶には全くない複合美術館、サマセット・ハウスだった。どうも私がオランダ駐在を終えて帰国するくらいの時期に、庶民に解放されたらしい。だから記憶に無いはずだ。色々と展示館があるけれど、印象派の画家の展示が目を引いた。いつか入館するつもり。
サマセット・ハウスのテラスはテムズ川に面しており、その横にはウォータールー橋が掛っている。左にロンドン・アイ(大観覧車)、右に国会議事堂と眺められ、観光客の絶好の撮影スポットのようだ。
実は、1日(土)の探索目的地はテンプル。お寺じゃないよ、地名だよ。テンプル騎士団に由来する。パラパラとガイドブックを観ていたら、知っているはずなのに記憶にない魅力的な建造物を発見し、「まずは温故知新から」と、当時馴染みのなかったテンプルを目的地として足を運んだ次第。
その建物が上の写真で、王立裁判所。結構好きなデザイン。滞在時間は短かったけど、来て良かった。
さて、2日の日曜日。7月の毎日曜日は、リージェント・ストリートが歩行者天国になる。今日が今年の初日。写真は通りでのイベント開始前なので、人通りはまだ少ないが、7~8月は欧州で夏休みになる関係から、イギリス以外の欧州各国からの若い子達を中心とした旅行者で、ロンドン市内の観光地はごった返している。
去年はバスが陳列されたり、スポーツカーが展示されたりしたようだが、今年の予定表には記されていなかった。ジャズなどのパフォーマンス系が中心になるらしい。自動車ファンの私としては残念だ。
せっかくピカデリーまで来たので、隣のレスター・スクエアに足を伸ばした。目的は、かつて駐在時に初めてモデルカー(英国SMTS社製のランボルギーニ達)を手にし、購入したショップ、「セント・マーチンズ・アクセサリーズ」に、約十数年ぶりに顔を出すこと。
しかし、お店があったはずの場所に店舗は見当たらない。角を曲がって小道に入ったところに、同店が経営する自動車専門書店があったから、その場所に行ってみた。すると、「St Martins Models」の看板が。しかし、店舗も経営者も違っていた。
たまたま似たような場所に今の店主が店を構えただけで、目的のお店は6年前に廃業したそうな。書店も3年前に閉めたという。時の移ろい、諸行無常を感じずにはいられない。
変わらず立ち続けるのは、シェークスピア大先生の像。映画館や劇場、チケット売り場などに囲まれたレスター・スクエアの中心で、観光客らを見下ろしている。この辺りには、よく映画を見に来ていた。今回の駐在中も、足しげく通うかもしれない。
最後に、街中のありふれた光景を紹介。
ベントレー、アストン・マーティン、ジャガーなどの国産高級車が、当たり前の如く至る所に路上駐車されている。ロンドンの街中は路上駐車が基本なので、フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェも、平気な顔で路駐三昧。マクラーレンやロータスも国産車なので、街中では度々目にする。他には米国の電気自動車テスラが目立つ。
ただ、ほとんど改善が為されない住空間に対し、車のような工業製品だけがスタイリッシュになっている景色は、凄くアンバランスな感じがする。街を変えないのなら、車もクラシック・カーのままが正当な進化なのかもしれない。
食事なども、テスコでサンドウィッチを買おうと選んでいると、日本のブランド家畜はもっと旨い餌を食べているのではと、とてつもなく惨めな気分に陥ってしまう。「英国民はアストン・マーティンに乗っている場合じゃないだろう」、とも思う。
日本と比べるわけでも、英国の荒探しをするつもりでもないけれど、『 Quality of Life 』というものについて、考えるきっかけになりそうだ。
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