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2016.05.04

二極化するデザインの方向性

今日はGWの中日。
創造広場アクトランドは、1周年記念イベントを行っているらしい。
招待状をもらっていないので詳細は分からないが、大盛況であることを願う。

いよいよ今日から、ウェブサイト「モデルカー学」の本編記事執筆を再開する。
生業の方で新しいウェブサイトの設計・構築に取り掛かっており、日々時間に追われているが、
何と言っても他者にできない私の存在意義は、実践に基づく『モデルカー学』の確立と普及に他ならない。

その前に、今日は10年ほど前から気になっていた“二極化するデザインの方向性”について考える。

3月29日のブログで触れたジュネーヴ・モーターショー2016で、明瞭に比較できるサンプルが登場している。
1台は、映画にも登場したドバイ・Wモーターズ社のライカン・ハイパースポーツ(Lykan HyperSport)の上位機種、
フェニア・スーパースポーツ(Fenyr SuperSport)、そしてもう1台は、北京の新興メーカー・テックルールズ社の
GT96 TREV コンセプトである。TREVとはTurbine-Recharging Electric Vehicleの略称。

前者が市販車なのに対し、後者は実走可能ながらコンセプトカーであるため、厳密な比較とはならないが、
両者を並べてみれば、近年様々な分野で二極化しつつあるデザインの方向性が面白いほど認識できる。

左がフェニア・モータースポーツで、右がGT96 TREV コンセプトである。私は両デザイン共に気に入っている。
直ぐにでも1/43モデルカーで欲しいところだ。

さて、この2台の違い、皆さんの眼にはどう映っただろうか。

共に2シーター・ミッドシップ・スーパーカーなので、根本的なフォルムはほぼ似通っている。
しかし、左側のフェニアは細かい凹凸が多い複雑な造形であり、右側のGT96は表面が滑らかなシンプルな造形である。

空気抵抗と戦い、ダウンフォースを味方につけ、冷却用に外気の吸排出が必要なスーパーカーであるため、
細かい造形にもエンジニアリング上の必然性があるとしても、両者のエクステリア・デザインの方向性は、
明らかに両極に分かれている。デザイナーは共にその二極の方向性を意図的に創り出したに違いない。

2016年に、こんな両極端なエクステリアのスーパーカーが同じ舞台に登場するのだから、デザインは面白い。
なお、この二極化の傾向は、アニメに登場する架空のメカ(ここでは戦闘用人型ロボット)においても存在する。

左側は2008年に放送が開始された『マクロスFrontier』の主役機、VF-25F:メサイアである。
右側は1993年にOVAが発売された『マクロスⅡ』の主役機、VF-2SS:バルキリーⅡである。
後者の魅力は、バルキリーⅡファンクラブサイト:Passion for Valkyrie II にて語り尽くされている。

メサイアは、CGを用いて技術的に“できる”ようになったため、全体のフォルムで機能美を追究するより、
ただただ細かい情報を盛り込んでしまい、美しいと呼べる形状からは程遠いデザインとなっている。
私は、バルキリーの “折り紙細工化” や “トランスフォーマー化” などと呼んでいる。

一方、バルキリーⅡは、細部に情報を盛り込むのではなく、本質的な美しさをシンプルな描線で創り上げている。
ロボット・デザインの最高傑作の一つ。車で言えば、GT96 TREV コンセプトのデザイン傾向に該当している。

1/43モデルカーを収集していると、新型車種の第1号車が発売された後、レース仕様やフェイスリフト、
ハイパワー仕様などの発展系車種が発売され、その時々には新鮮味を感じるものの、次世代車種が登場した頃には、
最初に出た第1号車の一番シンプルなオリジナル・デザインが、最も魅力的に見えてくることが多々ある。
フェラーリしかり、ランボルギーニしかり、ポルシェしかりである。

これは、空力パーツや細かい凹凸の造形などは、基本的フォルムの車体に対する「付加物」でしかないからであり、
その車の本質(素性)は、シャーシ構造や動力性能、そして最も基本となるフォルムで既に体現されているからだ。

ある程度センスと技術が必要とはいえ、複雑な「足し算」が比較的容易なのに対し、根本的なフォルムの造形は、
あらゆるぜい肉をそぎ落とす「引き算」的な作業であり、圧倒的なセンスと高い技術力が求められる。

フェニアとGT96のように、複雑系の造形もシンプル系の造形もデザインとしては共に魅力的で、
そうであるがゆえに、これからも両極の方向性で高い完成度と個性が追究されていくのだろう。

私個人としては、結構昔から基本的にシンプル系のデザインに心惹かれている。
1990年代から気になっているけれど、未だにモデルカー化されていない車種(ロードカー)には、
ほとんど知られていない Helem V6Mega Monte Carlo などがある。

興味のある方は、調べてみて欲しい。

2015.08.26

登場『カーマガジン』10月号!!

2015年10月号『カーマガジン448』にて、
「世界モデルカー博物館」が1/4ページ分紹介された。

小さい記事なれど、多くの方に存在を知っていただける。
次回は、是非現地取材をして欲しいものだ。

2015.06.06

アクトランドのモデルカー博物館

現在私は、モデルカー趣味の醍醐味をお伝えするウェブサイト『モデルカー学』を構築中だ。

そのため、5月15日の「世界モデルカー博物館」グランドオープン後、もうすぐ1ヵ月だが、
イベントの3日間以降は当館はじめアクトランドとの関わりが小休止状態だ。

開館後少しして、㈱技研製作所の顧客の方が訪問され、当館を絶賛してくださったそうな。
そういう嬉しいお話は、たまに私の耳に入ってくる。ご来場者と直接お話ができないのが残念だ。

さて、今日はグランドオープンにお越しくださったご招待客の方々が、その模様をアップして下さった
ウェブサイトを、2つ皆さんにご紹介する。雰囲気が良く伝わってくるので、ご覧になっていただきたい。


一つは、名古屋の精密モデルカー専門ショップ
「ラクーン」さんのウェブサイト。

クリック⇒ 
「世界モデルカー博物館」に行ってきました。


もう一つは、新潟にお住いのボンネットバス博士「丸谷洋一」先生のウェブサイト。

クリック⇒ 
アクトランド「ボンネットバス博物館」グランドオープン


御二方とも自動車とモデルカーに造詣が深く、両展示館の良さを十分表現してくださっている。

世界モデルカー博物館の詳しい情報なら、構築した張本人である私が伝えればよいようなものの、
自分でそれをやっちゃあ手前味噌になり、実も蓋もないってことで自重している次第。

しかし、『モデルカー学』サイトはご期待いただきたい。
何とか6月中にアップしたいと、勤務後と土日を使って鋭意制作中!!

2015.05.18

遂にグランドオープン !!

去る5月15日に、創造広場『アクトランド』がグランドオープンを迎えた。
オープンイベントは15日~17日までの3日間、盛大に開催された。

私も15日の朝8時前から夜10時までを3日間、東京から馳せ参じ、
「世界モデルカー博物館」でたくさんの来訪者に解説を行った。

15日の朝、この週に届いたばかりの最新フェラーリ488GTBを2台追加展示し、
ランボルギーニにはエゴイスタを追加して、お客様を万全の態勢で出迎えた。

自分が25年間かけて収集したモデルカーを、一般公開の博物館という形で
多くの方々に楽しんでいただける状況は、マニアが夢見る究極の姿である。

中途半端で収集を諦めていたら、単なる“変人”の浪費オヤジで終わっていただろう。
大半のコレクターは、志半ばで大切なコレクションを手放す羽目に陥るものだ。

展示館の扉を開くやいなや、「これは凄い」と感嘆の声を上げてもらえるほど
徹底的に収集を継続したからこそ、その世界の“専門家”として接していただけている。

どんな内容の事柄でも、徹底的に突き詰めていった者だけに見える景色がある。
その景色を、他の方々と共有する機会を提供するのが、専門家の存在意義であろう。

私の見てきた景色が、「世界モデルカー博物館」(Off-line)という形で可視化された。
しかし、本当の意義は、その景色の奥深くに際限なく広がっている。

だから、展示館の表面だけからは読み取りにくい部分を、
この「モデルカー学」ウェブサイト(On-line)でその一端をお伝えしていく。

皆さんは、On-lineとOff-lineの両方を有効活用し、美しい景色を立体的に楽しんで欲しい。

2015.04.25

惚れてまうやろ!!

4月25日には、製作関係者やご近所さんに向けた創造広場アクトランド内覧会が行われた。
今回も、私は終日世界モデルカー博物館の解説を行った。

アクトランドという全体施設の内覧会(無料ご招待)のため、当然ではあるけれど、
決して当展示館をお目当てに、その上、料金を支払ってまで見ようという方々ばかりではない。

ご来館者の反応は様々。
車やモデルカーに全く知識や関心の無い方でも、展示数量の多さには一応に驚かれる。
車好きの方は、全体を回りながらも自身が特に関心のある車種モデルの前で足が止まる。
子供たちは車種が分からなくても、“あの車が好き、この車が好き”と大騒ぎで喜んでくれる。
展示ガラスに数多くの、小さな掌マークを付けながら・・・。

展示館の企画・設計・設立者として残念なのは、“ああ、こんな感じか”という体で、
さーっと展示館の内部を一瞥されるだけの方々。主役である展示物には関心が無いようだ。
当館に興味が無くても、アクトランドの他7つの展示館のどれかに感心・感動していただけたら、
わざわざ足を運んでもらった甲斐はあるというもの。

そんな中、やや小柄の若い女性で、棚の端から順に、最上段はちょこっと背伸びをし、
最下段はしっかりしゃがみこんで、ひたすら展示物を見てくださる方が居た。

そういう方は、自分自身の脳内で展示物に関する情報処理を独自に行っているものだ。
だから、あまり余計な解説をせずに、所々で鍵となるポイントだけを説明した。

私が25年かけて収集した可愛いモデルカー達を、黙々と丹念に見てくださる後ろ姿に、
つい、「惚れてまうやろ!! と心の中で叫んでしまった。

アクトランドは、Art(芸術)+Culture(文化)+Technology(技術)の複合展示だが、
そこにスタッフのおもてなしの心と、ご来館者の感性が加わって、初めて施設として完成する。

決して、車やモデルカーに詳しそうな女性ではなかった。
そうであっても、展示物に純粋に向き合って、何かしらの知的刺激を受けてくださったのであれば、
展示してあるモデルカー達も、収集展示した張本人である私も、本当にうれしい限りである。

アクトランドを世界有数のテーマパークとして、これから育てていってくださるのは、
ご来場者の皆さんに他ならないと、改めて実感した次第である。

GW明けの5月15日にアクトランドはグランドオープンを迎える。
是非、皆さんの感性を注ぎこんでいただきたい。

2015.04.21

世界モデルカー博物館 内覧会

約3年前から開設準備に取り掛かっていた、高知県香南市の新しいテーマパーク
『創造広場アクトランド』が、5月にいよいよ開館する。
http://actland.jp/

その中には、1/43精密モデルカーを3700台展示する世界初で唯一の本格的常設博物館
『世界モデルカー博物館』もアクトランド8展示館の一つに含まれている。
http://actland.jp/museum/modelcar.html

本日、4月21日(火)、報道・観光関係者らに向け、内覧会が実施された。
当然、『世界モデルカー博物館』のエクゼクティヴ・プロデューサーとして、
私も東京から駆けつけ、朝8から夜10時まで参加し、終日解説を行った。

高知県の夕方のTVニュースでも紹介されている。下記サイトで概要を見ることができる。
(時間がたつと消される可能性もあるので、リンクが切れた際はご容赦願いたい。)
https://www.kutv.co.jp/?target=program_page&program_id=prog46c11d00d549c&news_id=news553613c86ffe3

25年間のコレクター人生が、皆様と共有できる形に集大成された。感無量である。
こういう機会を与えてくださったアクトランド館長はもちろん、四半世紀にわたって
私のコレクション形成を助けてくださったメーカーやショップ、コレクターの方々に
改めて感謝の意を表したい。もちろん、大目に見続けてくれた家族にも感謝。

展示館での解説では「私が25年かけてコツコツ収集した3700台」と言っているものの、
コレクションというのは一人では成立しない。作り手、売り手、買い手の共同作業である。
そういう意味で、このコレクションの公開は関係諸氏や業界への恩返しの意味もある。

アクトランドのウェブサイトにある通り、開館は5月15日。3日間はイベントが開催される。
春の高知は暑すぎず、遊ぶにも食べるにも最高の季節。
是非、『創造広場アクトランド』へ足を運んでいただきたい。

Headmaster / 学院長

1965(昭和40)年生まれ射手座A型のスーパーカーブーム直撃世代。小学高学年でガンディーニ・デザインに魅了される。
時を経て1990年、ロンドン駐在時に英国製の1/43精密モデルカーに出会い収集を始める。1998年の帰国後は、国内の専門ショップに収集拠点を移し、現在に至る。
スーパーカーを主軸とするロードカー・2ドアクーペに車種を限定することで、未組立キットを含め約5000台を収集。
モデルカーの認知拡大、コレクターへの支援、業界の充実発展を願い、主力3700台を『世界モデルカー博物館』に展示。
同時に、展示作品の愉しみ方を解説する本サイト『モデルカー学』を開講。現在も「コレクター道」を実践・追究している。

―2015年5月現在―

2017年6月末に英国ロンドンへ再赴任し、現在ロンドンから欧州の様々な情報をブログとFacebookで配信中。

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