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Alfa Romeo Tipo 33/2 Stradale / アルファ・ロメオ・ティーポ 33/2 ストラダーレ

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One of the Most Beautiful Roadcars / 世界で最も美しいロードカーの1台

Chapter 6 - Section 1 - Subsection 6

English Text Coming Soon

Auto-Delta
Autodelta
Ludovico Chizzola
Carlo Chiti
ALFA Corse
Giulia TZ
Alleggerita (lightweight in Italian)

第6章 第1節 第6項

アルファ・ロメオは、1910年の創業間もなくレース活動を開始し、エンツォ・フェラーリらを擁してグランプリやル・マンなどで大活躍します。50年のF1創設後も初戦から最多勝利を重ねますが、財政難のため51年にF1から撤退し、市販車も高性能スポーツカーから大衆量産車へと方向転換しました。

60年代にレース活動を再開したアルファ・ロメオは、グループ6(スポーツ・プロトタイプ)参戦に向け、65年に自社初となるミッドシップ・レースカー、ティーポ33(1.6直4エンジン搭載)を試作します。その後の開発はアウトデルタに委ねられ、67年に2リッターV8エンジンを搭載する33/2が完成します。

アウトデルタは、アルファ・ロメオ・ディーラーのルドビコ・チッゾラと、アルファ・ロメオ、フェラーリ、ATSでレースカーを設計したカルロ・キティ(1924~94年)が61年に設立し、63年からアルファ・ロメオのレース部門を統括したレースカー開発企業です。85年にはアルファ・コルセに社名変更しています。

カルロ率いるアウトデルタは、ジュリアTZ(63年)、TZ2(65年)、GTA(GTの軽量版=Alleggerita)というフロント・エンジン・クーペを開発し、アルファ・ロメオを華々しくレース・チャンピオンへと返り咲かせます。そして、ミッドシップ化の潮流に乗り、67年に開発したレースカーがティーポ33/2です。

Early Version with 4 Head Lights / 前期4灯ヘッドライト型 (1967年~)

English Text Coming Soon

Periscope
Mugello
Daytona

ティーポ33という車名は、ジュリア系(105)のタイプ33を意味する開発コード105.33に由来し、2リッター版が33/2です。ボディには、潜望鏡状の吸気口を持つペリスコープ・スパイダー、それを廃してロング・テールにしたムジェロ・スパイダー、ラジエータとオイル・クーラーをボディ側面に移動したデイトナ・クーペ(ショート&ロング・テール)などがあります。

33/2ストラダーレ(ストリート)は、コンペティション・モデルのシャーシとエンジンを公道用に仕立て直し、フランコ・スカリオーネ作の美しいクーペ・ボディを架装したロード・バージョンです。3970×1710×990mmで700kgという小型軽量ボディに、233psの2リッターV8エンジンをミッド搭載しており、67~71年の間に12台(18-6)が生産されました。

English Text Coming Soon

ボディ・スタイリングは、抑揚の効いた柔らかい曲線基調で、屋根と一体化したガラス状のサイド・ウィンドウや、後のマクラーレンF1やエンツォ・フェラーリのように2支点で斜前方に開くバタフライ・ドア、丸ごと開く前後カウルなどが特徴です。

その上で前期型は4灯式ヘッドライトを携えますが、製造された3台で細部の造形は異なっています。モデルカーの写真では、各部の共通項から1番目と5番目の2台、真ん中の3台がそれぞれ同じ実車をモデル化していると考えられます。

Late Version with 2 Head Lights / 後期2灯ヘッドライト型 (~1971年)

English Text Coming Soon

後期型では、ヘッドライトが4灯式から2灯式に改められました。これは、4灯式だとライトの高さが北米の基準に合わなかったためです。各個体に共通するその他の変更点は、前後ホイール・アーチの後側にメッシュ状のエア・アウトレットが標準装備されたことです。

ストラダーレは71年まで生産されますが、本家レースカーのティーポ33/2は、69年に3リッターV8エンジン(405ps)を搭載するオープン・ボディのティーポ33/3に道を譲ります。そして、73年にはフラット12(505ps)搭載の33TT12、76年には530ps発揮の33SC12へと進化を遂げます。

English Text Coming Soon

写真のモデルカーで形状を見る限り、掲載した4台の元になった実車は全て異なっていると考えられます。着眼点は、フロント開口部とバンパー、ウィンカー、サイドミラー、ワイパー、ボンネット上の開口部、エア・アウトレットの形状、ボディ側面のメタルパーツなどです。

生産台数が少なく、各個体で仕様や造形が異なる点はランボルギーニ・イオタと共通しますが、ティーポ33/2ストラダーレに関してはシャーシ番号毎の個体情報などが整理されておらず、実車を特定し、モデルカー造形の正確さを確認することは困難です。徹底的な実車取材を必要とする車種です。

Personal View
English Text Coming Soon

私的見解
日本のスーパーカー・ブームは、33/2ストラダーレの登場から10年経っており、当時のアルファロメオは大衆車メーカーだったため、私は2000年代までこの名車を知りませんでした。遅ればせながらモデルカー収集に注力しましたが道半ばです。私の1/43ティーポ33/2ストラダーレ・プロジェクトは、12種のプロポーション・モデルと前期・後期の代表的な個体のフル開閉モデル、同一シャーシで競作した6台のコンセプトカーを全て1/43作品で揃えることです。

Topics / 新着情報

2017.02.06

第7章「博物館」・全4節を新規掲載

遂に全7章(日本語コンテンツのみ)の執筆を完了。英日対訳の日本語部分だけで約1年半かかってしまった。意図的に先延ばした箇所があるものの、何とか最後までたどり着いた。拍手!拍手!

2017.01.15

「車種リスト」ページを新規掲載

本編ページに掲載したモデルカー作品を検索するための、アルファベット順車種リストページを作成

2017.01.09

第6章・第5節「製品化要望」を新規掲載(第6章完了)

第4節の掲載から3箇月以上間隔が開いてしまったが、モデルカーを過去・現在・未来の時間軸を通して考察することができた。主要な日本語コンテンツとしては、第7章の「博物館」を残すのみ。

Headmaster / 学院長

1965(昭和40)年生まれ射手座A型のスーパーカーブーム直撃世代。小学高学年でガンディーニ・デザインに魅了される。
時を経て1990年、ロンドン駐在時に英国製の1/43精密モデルカーに出会い収集を始める。1998年の帰国後は、国内の専門ショップに収集拠点を移し、現在に至る。
スーパーカーを主軸とするロードカー・2ドアクーペに車種を限定することで、未組立キットを含め約5000台を収集。
モデルカーの認知拡大、コレクターへの支援、業界の充実発展を願い、主力3700台を『世界モデルカー博物館』に展示。
同時に、展示作品の愉しみ方を解説する本サイト『モデルカー学』を開講。現在も「コレクター道」を実践・追究している。

―2015年5月現在―

2017年6月末に英国ロンドンへ再赴任し、現在ロンドンから欧州の様々な情報をブログとFacebookで配信中。

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