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Carrozzeria Zagato / ザガート社

Designers   Fissore  Gandini  Giugiaro  Pininfarina  Scaglione  Spada  Stevens  Wallace  Zagato

Lightweight Body Specialist in Milan / ミラノの軽量ボディ・スペシャリスト

Chapter 6 - Section 2 - Subsection 9

English Text Coming Soon

The Company organization is totally 'customer oriented'.

Fuoriserie

第6章 第2節 第9項

ベルトーネともピニンファリーナとも違う、個性的なスタイリングを数々生み出してきた現役の老舗カロッツェリアの代表格が、ミラノを本拠地とするザガートです。

トリノのカロッツェリアが近代的な自動車メーカーを目指したのに対し、ザガートは少量生産の限定車や顧客の要望に応える特別車(フォリセーリエ)を中心に生産し続けています。

Basic Information about the Design Firm / デザイン会社の基本情報

Corporate Profile / 企業プロフィール
Name / 社名 ZAGATO - ZED Milano s.r.l.ザガート - ZEDミラノ
Location / 所在地 Terrazzano di Rho, Milan, Italy イタリア、ミラノ、ロー、テッラッツァノ
Founder / 創業者 Ugo Zagato ウーゴ・ザガート
Founded / 設立 1919 in Milan, Italy 1919年、イタリア、ミラノ
Former Names /
社名の変遷(創設から)
Carrozzeria Ugo Zagato & Co.
La Zagato
Zagato Indultrial Design s.r.l.
Zagato Car s.r.l.
SZ Design s.r.l.
Zagato Centrostile s.r.l.
カロッツェリア・ウーゴ・ザガート
ラ・ザガート
ザガート・インダストリアル・デザイン(分社)
ザガート・カー(分社)
SZデザイン
ザガート・デザインセンター
Key People /
主要人物
Ugo Zagato (1890-1968)
Elio Zagato (1921–2009)
Gianni Zagato (1929-)
Andrea Zagato (1960-)
ウーゴ・ザガート(1890~1968年)
エリオ・ザガート(1921~2009年)
ジャンニ・ザガート(1929年~)
アンドレア・ザガート(1960年~)
Designers /
主要デザイナー
Ercole Spada
Nori Harada
エルコーレ・スパーダ
原田 則彦(ノリ・ハラダ)
Organisations /
関連団体
Coventry Prototype Panels Ltd
CPP Milan s.r.l.
Envisage Group Ltd
コベントリー・プロトタイプ・パネルズ(CPP)
CPPミラン
エンヴィザージ・グループ

Corporate History / 企業の沿革

English Text Coming Soon

Gavello
Carrozzeria Varesina (in Varese)
Fabbrica Aeroplani Ing. O. Pomilio
Juan Manuel Fangio

ガヴェッロ生まれのウーゴ・ザガートは、大学でデザインを学び、ヴァレーゼのカロッツェリア・ヴァレシナや、トリノの航空機メーカー・ポミリオで軽量金属加工技術等を習得し、1919年にミラノでカロッツェリア・ウーゴ・ザガートを設立します。

戦前はフィアット509SSやアルファ・ロメオ6C1750SSを、戦後はファン・マヌエル・ファンジオが51年にF1世界王者を獲得したアルファ・ロメオ159のボディなどを製造し、息子のエリオやジャンニも加わり、空力スタイリングを洗練させます。

60年にはエルコーレ・スパーダが入社し、イタリア車だけでなく、アストン・マーティンやジャガーなどイギリス車も手掛けます。エルコーレは69年にザガートを離れますが、後任として原田則彦を発掘して、92~93年だけ古巣に戻ってきます。

21世紀になると、イギリス・コヴェントリーのコーチビルダー、CPP社やエンヴィザージ・グループとの間で資本関係や事業体制に何らかの変化があり、2016年現在における社名は、本体に“ザガート”を冠しないZEDミラノとなっています。

Representative Design Works / 代表的なデザイン作品

English Text Coming Soon

ザガートで最も特徴的な造形は、2列のコブ状に盛り上がった屋根でしょう。レースカーに軽量ボディを架装していたザガートらしく、空力的に屋根を低くしたフィアット・アバルト750GTで、ヘルメット装着時のヘッドルーム確保のために誕生しました(1956年)。翌年レースで大活躍したことから、ダブルバブルの愛称が付けられ、ザガートの個性として定着しました。

ダブルバブル・ルーフとは別に、ザガートのスタイリングには、シンプルな形状に彫刻するジョルジェット、大胆に力強さを演出するマルチェロ、流麗なラインを描くピニンファリーナ、優しい曲面で包み込むピーターらとは全く異なる、意図的に均整を崩したような強烈な不均衡の美が存在します。第6項のエルコーレ・スパーダの作品と併せ、魅力をご堪能ください。

Ferrari 348 Elaborazione 1991 / フェラーリ 348 エラボラツィオーネ 1991

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Ferrari 330 Convertibile

Still, in keeping with tradition, the panels were done in hand-formed aluminum. At least this was no stick-on body kit, right?

1991年にザガートは、74年の330コンヴェルティービレ(コンバーチブル)以来、17年振りとなるフェラーリのリスタイリング・モデルを発表します。ベース車の348tbのエンジニアリングには手を入れず、基本フォルムを継承しつつ新造形した、オール・ハンド・メイドのアルミ・ボディに換装されました。

348tbと印象が大きく異なる理由は、テスタロッサのV8版として直線基調に仕立てられていた各部の意匠が、連続性を持たず独立した曲線基調に変更されているからです。NACAダクト風にしてフィンを全撤去したサイド・スクープは後のF355に、透明のエンジン・カバーは360モデナに採用されました。

Lamborghini Raptor 1996 / ランボルギーニ・ラプター 1996年

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ザガートはランボルギーニに関しても、1966年にエルコーレがデザインしたGTZ3500GTZ以来、30年ぶりにコンセプトカーを製作し、96年のジュネーヴ・モーターショーで発表します。デザイナーはエルコーレの後任、原田則彦です。

ディアブロVTのシャーシに、新造形のカーボン・ファイバー製ボディを架装し、軽量化を図っています。SE30(93~95年)の洗練されたスタイリングとは真逆で、その名の如く猛禽類を想起させます。写真はショップ特注レッドのモデルカーです。

Lamborghini Canto L147 Superdiablo 1998 / ランボルギーニ・カント L147 スーパーディアブロ 1998年

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Ferdinand Piëch

Murciélago

ザガート(当時はSZデザイン)は、ランボルギーニからディアブロ後継車のデザイン・スタディを依頼されます。開発コードL147として、1998年に原田則彦がカント(歌曲や旋律の意味)プロトタイプを製作しますが、事態は急変します。

同年、ランボルギーニがフォルクスワーゲン傘下のアウディ・グループに買収され、会長のフェルディナント・ピエヒによってカント・プロジェクトが完全に白紙撤回されました。そうして、2001年に社内デザインのムルシエラゴが発表されます。

Alfa Romeo TZ3 Stradale 2011 / アルファ・ロメオ TZ3 ストラダーレ 2011年

English Text Coming Soon

ザガートは、同郷ミラノのアルファ・ロメオ創業100周年、及び提携90周年を記念し、2010年に原田則彦によるTZ3コルサを発表します。エルコーレがデザインし、レースで大活躍したTZ1(63年)とTZ2(65年)のレトロ・コンセプトです。

その名(コルサ=競争)が示す通りの純レーシング・カーで、ドイツ人の愛好家がFIA‐GT選手権出場のためにオーダーしたワン・オフ・モデルです。翌11年に、そのロードカーであるTZ3ストラダーレを発表し、わずか数台が生産されました。

Topics / 新着情報

2017.02.06

第7章「博物館」・全4節を新規掲載

遂に全7章(日本語コンテンツのみ)の執筆を完了。英日対訳の日本語部分だけで約1年半かかってしまった。意図的に先延ばした箇所があるものの、何とか最後までたどり着いた。拍手!拍手!

2017.01.15

「車種リスト」ページを新規掲載

本編ページに掲載したモデルカー作品を検索するための、アルファベット順車種リストページを作成

2017.01.09

第6章・第5節「製品化要望」を新規掲載(第6章完了)

第4節の掲載から3箇月以上間隔が開いてしまったが、モデルカーを過去・現在・未来の時間軸を通して考察することができた。主要な日本語コンテンツとしては、第7章の「博物館」を残すのみ。

Headmaster / 学院長

1965(昭和40)年生まれ射手座A型のスーパーカーブーム直撃世代。小学高学年でガンディーニ・デザインに魅了される。
時を経て1990年、ロンドン駐在時に英国製の1/43精密モデルカーに出会い収集を始める。1998年の帰国後は、国内の専門ショップに収集拠点を移し、現在に至る。
スーパーカーを主軸とするロードカー・2ドアクーペに車種を限定することで、未組立キットを含め約5000台を収集。
モデルカーの認知拡大、コレクターへの支援、業界の充実発展を願い、主力3700台を『世界モデルカー博物館』に展示。
同時に、展示作品の愉しみ方を解説する本サイト『モデルカー学』を開講。現在も「コレクター道」を実践・追究している。

―2015年5月現在―

2017年6月末に英国ロンドンへ再赴任し、現在ロンドンから欧州の様々な情報をブログとFacebookで配信中。

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