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Giorgetto Giugiaro / ジョルジェット・ジウジアーロ氏

Designers   Fissore  Gandini  Giugiaro  Pininfarina  Scaglione  Spada  Stevens  Wallace  Zagato

The Car Designer of the Century / カー・デザイナー・オブ・ザ・センチュリー

Chapter 6 - Section 2 - Subsection 3

English Text Coming Soon

第6章 第2節 第3項

1938年にイタリアのピエモンテ州で生を受けた偉大な自動車デザイナーは2人います。ランボルギーニのデザインを多く手掛けたマルチェロ・ガンディーニと、彼の前にベルトーネのチーフ・デザイナーだったジョルジェット・ジウジアーロです。

マルチェロがフリー・デザイナーの道を歩んだのに対し、ジョルジェットは “近代的な大量生産に直結する、一貫したデザインプロセスを生み出せる組織” を目指す会社を創設・運営して、自動車業界全体に大いなる貢献を果たしました。

Basic Information about the Designer / デザイナーの基本情報

Personal Profile / 人物プロフィール
Name / 氏名 Giorgetto Giugiaro ジョルジェット・ジウジアーロ
Born / 生誕 7 August, 1938
 Garessio, Cuneo, Piedmont, Italy
1938年8月7日
 イタリア、ピエモンテ州、クーネオ、ガレッシオ
Occupation
/ 職業
Automobile and Industrial Designer,
Founder of Design Firm Italdesign
自動車・工業デザイナー、
デザイン会社イタルデザインの創業者
Career / 経歴 1955: Fiat Centro Stile
1959:
Bertone, Chief Designer
1965:
Carrozzeria Ghia, Chief Designer
1967: Ital Styling, Co-founder
1968: Italdesign (re-named)
1981: Giugiaro Design, Founder
2010: Chairman of Italdesign
  (Owned by Volkswagen Group)
2015: Retirement of Italdesign
1955年: フィアット・チェントロ・スティーレ
1959年: ベルトーネ(チーフ・デザイナー)
1965年: カロッツェリア・ギア(同上)
1967年: イタル・スタイリング(共同創設)
1968年: イタルデザイン(名称変更)
1981年: ジウジアーロ・デザイン(創設)
2010年: イタルデザインの会長に就任
  (フォルクスワーゲン・グループが買収)
2015年: イタルデザインを引退
Awards
/ 受賞歴
Compasso d'Oro Design Prize
 1981, 1991, 1995, 2004
Compasso d'Oro alla Carriera
(Lifetime Achievement Award) 1984
The Car Designer of the Century
 18 December, 1999 in Las Vegas
Inductee of Automotive Hall of Fame
 2002 in Dearborn, Michigan
コンパッソ・ドーロ・デザイン賞
 1981年、1991年、1995年、2004年
コンパッソ・ドーロ・アラ・カルリエーラ賞
(特別功労賞/生涯業績賞) 1984年
カー・デザイナー・オブ・ザ・センチュリー
 1999年12月18日、アメリカ、ラスベガス
自動車の殿堂入り
 2002年、アメリカ、ミシガン州、ディアボーン
Associates
/ 関係者
Dante Giacosa, Nuccio Bertone,
Franco Scaglione, Aldo Mantovani,
Hideyuki Miyagawa, Fabrizio Giugiaro
ダンテ・ジアコーサ、ヌッチオ・ベルトーネ、
フランコ・スカリオーネ、アルド・マントヴァーニ、
宮川秀之、ファブリティオ・ジウジアーロ

Personal History / 人物の略歴

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Moncalieri, Torino

the most influential car designer of the 20th century

幼い頃から芸術に親しんでいたジョルジェットは、中学卒業制作のフィアット500のイラストが、設計者ダンテ・ジアコーザの目に留まり、高校中退して17歳でフィアット・スタイリング・センターに就職します。昼は働きながら夜は美術学校で絵を教え、自動車の知識と美の感性を育んでいきます。

上級美術学校に進むためフィアットを退職し、夜間の仕事を探してヌッチオ・ベルトーネに相談したところ、59年にベルトーネとの専属契約を解除したフランコ・スカリオーネの後任としてベルトーネにスカウトされます。そして同年、若干21歳にしてベルトーネのチーフ・デザイナーに就任するのです。

ジョルジェットはベルトーネで20台以上をデザインし、65年にカロッツェリア・ギアへと移籍しますが、67年にデ・トマソに買収されると独立し、ベルトーネ時代からの友人・宮川秀之、設計事務所を経営していたアルド・マントヴァーニと共に、68年にトリノのモンカリエーリでイタルデザインを創設します。

多くの人々が喜ぶもの、それが美である」との信念から、初代ゴルフやフィアット・パンダなど、洗練されたスタイリングの大衆車を数多く生み出し、99年12月18日には20世紀で最も影響力のあったカー・デザイナーとして、100年に1人の『カー・デザイナー・オブ・ザ・センチュリー』を受賞しました。

Representative Design Works / 代表的なデザイン作品

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自動車メーカーのフィアットや大手カロッツェリアのベルトーネでの経験を活かし、ジョルジェットはエクステリアだけでなく、エンジニアリングやコスト・コントロールまで包括的に提案し、初代フォルクスワーゲン・ゴルフなどを世に送り出しました。

スーパーカーだと、イソ・グリフォやアルファ・ロメオ・ジュリアマセラティ・ブーメランBMWナスカランボルギーニ・カーラなどがあり、『モデルカー学』内の他の章で紹介しています。従って、それらと重複しない4台を取り上げました。

Alfa Romeo Canguro 1964 / アルファ・ロメオ・カングーロ 1964年

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アルファ・ロメオ・カングーロは、ベルトーネ時代にジョルジェットが初めてデザインしたコンセプト・カーです。シャーシはアウトデルタが製作したレースカーのTZ2(Tubular Zagato 2)で、カングーロとはイタリア語でカンガルーを意味します。

美しく躍動感溢れるフォルムですが、生涯初のコンセプトカーということもあり、ジョルジェット自身はスタイリングをエンジニアリングに融合できていないと回顧していました。1/43モデルカーでは、3社から発売されています(2016年現在)。

Lotus Esprit S1 1975-78 / ロータス・エスプリ S1 1975~78年

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ジョルジェットは、1971年に偶然出会ったコーリン・チャップマンからロータス・ヨーロッパの後継ミッドシップ車のデザインを託されます。翌72年のトリノ・モーターショー、イタルデザイン・ブースには、マセラティ・ブーメランの隣にウェッジ・シェイプ・コンセプトカー、ロータス・エスプリが展示されていました。

75年に生産が開始されたエスプリは、直4エンジンのターボ化、エクステリアのリファイン、V8ターボ・エンジン化など進化を重ねつつも基本的フォルムはそのまま継承され、2004年までの約30年間生産されました。ただし、純粋なジョルジェット・デザインのボディを纏うエスプリは87年式までです。

Bugatti 18.3 Chiron 1999 / ブガッティ 18.3 シロン 1999年

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Fabrizio Giugiaro

The car was named in honor of Louis Chiron, a famous Bugatti driver who won the 1927 Grand Prix of France in a Type 35.

フォルクスワーゲンは1998年にブガッティの商標権を獲得すると、EB110に代わる新型車種開発に向け、2000年までにイタルデザインから3台、自社から2台のコンセプトカーを発表します。写真のEB18.3シロンは、ジェルジェットの息子であるファブリツィオ・ジウジアーロがデザインしました。

車名は往年のブガッティ・レーサー、ルイ・シロンの名に因み、数字は直列6気筒を3種のバンク角で18気筒に仕立てたVW製6.3リッターW18エンジンを意味します。2001年に生産車は自社デザインのヴェイロンに決定されましたが、シロンの車名は2016年のヴェイロン後継車に採用されました。

Alfa Romeo Brera Concept 2002 / アルファ・ロメオ・ブレラ・コンセプト 2002年

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Associazione per il Disegno Industriale (ADI)
20th Compasso d'Oro Design Prize 2004

have received the ADI Golden Compass Award

ジョルジェットは2002年のジュネーヴ・モーターショーで、新型アルファ・ロメオのデザイン・スタディ・モデルを発表します。シザー・ドアと400psのマセラティ製4リッターV8エンジンを搭載していましたが、2005年の量産市販車は通常の横開きドアと260psの3.2リッターV6エンジンに変更されました。

ブレラ・コンセプトは、イタリア工業デザイン協会(ADI)が3年に1度開催する、国内で最も権威のあるコンパッソ・ドーロ(ゴールデン・コンパス)・デザイン賞を2004年に受賞します。印象的なフロント・マスク・デザインは、兄弟車種の159を始め、他のアルファ・ロメオ車種にも採用されていきました。

Topics / 新着情報

2017.02.06

第7章「博物館」・全4節を新規掲載

遂に全7章(日本語コンテンツのみ)の執筆を完了。英日対訳の日本語部分だけで約1年半かかってしまった。意図的に先延ばした箇所があるものの、何とか最後までたどり着いた。拍手!拍手!

2017.01.15

「車種リスト」ページを新規掲載

本編ページに掲載したモデルカー作品を検索するための、アルファベット順車種リストページを作成

2017.01.09

第6章・第5節「製品化要望」を新規掲載(第6章完了)

第4節の掲載から3箇月以上間隔が開いてしまったが、モデルカーを過去・現在・未来の時間軸を通して考察することができた。主要な日本語コンテンツとしては、第7章の「博物館」を残すのみ。

Headmaster / 学院長

1965(昭和40)年生まれ射手座A型のスーパーカーブーム直撃世代。小学高学年でガンディーニ・デザインに魅了される。
時を経て1990年、ロンドン駐在時に英国製の1/43精密モデルカーに出会い収集を始める。1998年の帰国後は、国内の専門ショップに収集拠点を移し、現在に至る。
スーパーカーを主軸とするロードカー・2ドアクーペに車種を限定することで、未組立キットを含め約5000台を収集。
モデルカーの認知拡大、コレクターへの支援、業界の充実発展を願い、主力3700台を『世界モデルカー博物館』に展示。
同時に、展示作品の愉しみ方を解説する本サイト『モデルカー学』を開講。現在も「コレクター道」を実践・追究している。

―2015年5月現在―

2017年6月末に英国ロンドンへ再赴任し、現在ロンドンから欧州の様々な情報をブログとFacebookで配信中。

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